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【取材記事】食品ロス削減fuuboで、CO2の排出削減を目指す

ZERO株式会社

近年、賞味期限間近の食品や食材を廃棄処分するという、食品ロス(=フードロス)問題を解決する取り組みをしている企業や団体が増えています。今回、インタビューしたZERO株式会社も食品ロスの削減に注力している企業の一つであり、日本初の非対面・非接触対応の食品ロスおよびCO2の削減を目的とした無人販売機「fuubo(フーボ)」というサービスを展開しています。インタビューでは、創業までのいきさつ、サービスを導入した後のエピソード、CO2削減の算出の見える化にフォーカスし、広報担当の松清様にお話をうかがいました。




お話を伺った方


松清 有沙(まつきよ ありさ)様
ZERO株式会社 広報担当

神奈川県出身。AIU(秋田・国際教養大学)卒業後、キユーピー株式会社でBtoB営業を担当。名古屋支店配属で、豊田や豊橋などの三河エリアで食品流通の経験を積む。初級食品表示診断士の資格に加え、TOEIC855点、タイ留学など国際色豊かな経験を持つ。


■創業のきっかけはバックパッカーの旅で出会った子どもだった



mySDG編集部:御社のホームページを拝見いたしましたが、テーマとしてはフードロスとCO2排出削減が書かれており、今のニーズにマッチしていると思いました。創業前になると思いますが、御社のメンバーの方がSDGsに興味を持ったきっかけはそもそも何だったのでしょうか?

松清さん:はい、SDGsというよりは、少し食品ロス寄りになります。私達の共同代表の沖杉が学生時代にバックパッカーで世界中を旅行していまして、そのときにアフリカや貧困地域などを回っていたときに、現地の子どもに「ギブミーマネー」と言われたらしいのですけど――。
あの時、沖杉はお金をもっていなかったので、たまたま持っていたビスケットをあげたら、子どもがすごく嬉しそうに喜んで食べてくれたということがありました。

子供たちが「ギブミーマネー」と言っているのは「お金が欲しい」のではなく、「食べ物が欲しい」のであって――。「食の格差」というのを目の当たりにし、これを何とかしたいと思い、この事業を考えることに至ったと沖杉から聞いています。
私個人としても東南アジアで子供にお土産をねだられたという、似たような経験があり、食の格差が強く印象に残っていました。それに加えて新卒で入社した食品メーカーで、まだ食べられるのに捨てられてしまう食品の多さに衝撃を受けたことが食品ロス削減に携わりたいと思った大きなきっかけです。

mySDG編集部:「食」というのは、命の「源」に繋がりますよね。すごく素晴らしいエピソードだと思っています。それ以降、10年間の月日が過ぎ、起業に至りましたが、起業までどのようにして(食品ロスに)取り組んでいたのでしょうか?

松清さん:最初、沖杉は会社員として働いていましたが、その後起業をし、(起業して)最初は農家さんの規格外野菜を販売することをやっていました。次に、コンビニなどの商品で期限が迫っているものを消費者とマッチングさせるアプリの開発・運営といった形で、アプローチを変えて様々な食品ロス削減に取り組んでいました。今回、無人販売機では、ドライ品、賞味期限管理のお菓子とカップラーメンなどのメーカーから出てしまう食品ロスを販売するという方向に変えていきました。

mySDG編集部:カップラーメンやドライ系の焼き菓子のパッキングされたものを販売機で売っているのを、御社のサイトで見させていただきましたが、その中でも(商品を)ただ置くのではなく、賞味期限が近づいてきたものに特化しているという感じなんでしょうか?

松清さん:はい、おっしゃる通りです。他には、ハロウィンやクリスマスなどの期間限定パッケージのお菓子などです。賞味期限が半年以上残っているのに、イベントが過ぎたことで店頭に並ぶことができなくなってしまう商品も取り扱っています。

mySDG編集部:ちなみに賞味期限が何ヶ月ぐらいまでがセーフで、何ヶ月過ぎたら(販売機に商品として)搬入するといったやりくりというのはどうやっているのでしょうか?

松清さん:特に賞味期限の期間を設けておらず、残り半年以上期限がある商品から、残り1ヶ月を切っているような商品までいろいろありますし、必ずしもその賞味期限間近のものだけではありません。あと、商品リニューアルやサイズ変更などに伴って、古い商品を出せなくなるので、そういった旧品や季節限定ものも取り扱っています。

mySDG編集部:ユニークな商品でお客様が喜ばれたもの、エピソードとかを少し教えていただいてもよろしいですか?

松清さん:地域限定のお土産品を販売したことがあります。有名どころの観光地で、その地場でやられているメーカーさんから、「コロナで観光客も減って、お土産品が余ってしまって困っている」というお話をいただきました。それを買い取りさせていただき、そこの観光地から少し離れたところで販売したら、やっぱり珍しいものであり、お土産品ということで、ものすごく喜んでいただいたということはありました。

mySDG編集部:そういったところで売っているお土産品だったら、家族向けや自分向けにも食べられるし、いいですよね。そういった工夫もされていらっしゃるんですね。


■非対面×キャッシュレス決済の運用が今の時代とマッチしていた



mySDG編集部:今もコロナ禍ということもあって、なかなか計画したことがうまくいかない――。感染者数が今後もどうなるかわからないような状況だと思いますが、事業を続けていく中で、課題や、やってみたら実際に良かったなどのエピソードを教えていただいてもよろしいでしょうか?

松清さん:このサービスがスタートしたのは昨年2021年の6月なので、もう既にコロナ禍なってしばらく経っていました。非対面非接触キャッシュレスへのニーズが、コロナ禍になってから一気に世の中に出てきました。(非対面非接触キャッシュレスという)テイストを持っているサービスだったので、あまり影響を受けたということはなく、むしろその波に乗ることができ、そのおかげで認知度が広がっていった印象はあります。

mySDG編集部:やはり新しいものとか、非接触の販売となると、私たちの世代は電子マネーを持っていて、おなじみです。やはり私の親の世代である70代80代となると、「やりたいけどできない」という、すごくモヤモヤ感があるという話をうかがっています。そういった方のそのご対応っていうのはどうなのでしょうか?

松清さん:はい。実際におっしゃる通り、そういうお声をいただくことはやっぱりあります。が、「SDGs」「食品ロス」に敏感な方も多く、利用されているご年配の方もいらっしゃいます。実際の例として、茨城県庁さんに自販機を設置しています。県庁に出入りされる方はご年配の方が結構いらっしゃるのですけど、すごく興味を持っていただいて、お孫さんを連れてスマホの操作の仕方を教えてもらいながら購入していただきました。あと、アンケートを実施していると、今まで一番ご高齢の方でご利用いただいた方が80代の方もいらっしゃっています。なので、全くそのご高齢の方が使えないということではないですね。


■食品破棄の有無でCO2削減量を算出することで食品ロス削減を目指す



mySDG編集部:御社はCO2削減の取り組みも注力されていらっしゃいますが、具体的にどういうことをやられているのでしょうか。

松清さん:ボックスの中で食品を販売していますが、1ヶ月の間に販売できた食品の重量をもとに、もしその食品が廃棄されて燃やされていたら、どれだけのCO2の排出になっていたのかという考え方で算出しています。

mySDG編集部:その算出された情報に関して社内での共有として留まっている感じですか? それともを(社外に)オープンにしているという感じですか?

松清さん:オープンにしています。それをやっているのが茨城県庁と京都府であって、どちらも自治体です。茨城県庁のホームページにデータが載る形です。実績として外にしっかり発信できるデータとして、参照できるようになっています。

mySDG編集部:次の質問なのですが、今やっている事業でもっと広まってほしい、事業の認知度を上げていきたいと考えていらっしゃるかと思います。今後、どういうふうに(認知度を)広めていって稼働するか、それとも新しいことを見据え展開するなどのご展望はございますか?

松清さん:はい。まず直近では、この「fuubo」の無人販売機をどんどん展開し、色々なところに広げていきたいです。ただ、私達の目指すところは「もったいないをゼロにする」、「地球上の貧困をゼロにする」という大きなものです。その一つの手段として「食品ロス」についてやっているだけなので、将来的には食品ロス以外のSDGsに繋がることもやっていきたいと考えています。

mySDG編集部:何かほかにアピールしたいことはありますでしょうか?

松清さん:CO2の削減は、本当に新しく始めた取り組みです。企業さんは食品ロスにご関心がありますが、CO2の排出がデータとして可視化できるところによりご興味を持っていただけるので、そういうところをこれからアピールしていけたらと思っています。

mySDG編集部部:ありがとうございます。話が戻りますが、自販機なので、多分、人の手で食品を入れると思うのですが、どなたが搬入しているのでしょうか?

松清さん:私たちと業務提携をさせていただいている配送業者さんに配送と納品をお願いしています。

mySDG編集部:デパートとかお中元とかで何かできそうな気がします。お中元の食品をバラにして、売っているお店もありますが、そういうものを自販機でやるのもありですね。高級の缶詰や食品があれば、ちょっと買ってみようかなと思います。

松清さん:はい、まさにお土産品だとか、商品を単体として自販機で販売することもあるでしょうね。

mySDG編集部部:ぜひデパートなどにも自販機を置いていただきたいです。ありがとうございました。


▲fuubo導入や商品に関する最新情報は公式Twitterでご覧いただけます。
https://twitter.com/NoFoodLoss

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