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日本における e スポーツの裾野をコミュニティを軸に拡大。障がい者やシニアまで、広く活性化する鍵がここにはある

ログリー株式会社

ログリー株式会社は、広告事業をメインに展開しつつ、プロeスポーツ選手を目指すゲーマーと、eスポーツを応援したい気持ちを持つ個人や企業のスポンサーを結びつけることをコンセプトとする日本初の全大会賞金付き e スポーツ大会プラットフォーム「Adictor」を運営している会社です。現在、eスポーツ事業に SDGs 要素を付加し注力しようとしています。その経緯や今後の展開について、mySDG の小林が取材いたしました。


お話を伺った方

藤澤 裕人(Fujisawa Hiroto)
ログリー株式会社 ゲームマーケティング事業部
部長大学中退後、2008年より営業代行会社の立ち上げメンバーとして参画。
2012年に株式会社マクロミルへ転職し、事業会社・広告代理店へのセールスを担当。
2015年より現職に就き、媒体社向け事業企画、ネイティブ広告ほか各種マネタイズ施策の提案とコンテンツ分析を推進。
デマンド・サプライのセールスチームの統括を経て、現在はゲーム関連のマーケティング事業を担当。


日本のeスポーツは中国や韓国に比べて 5 年遅れている、、、コミュニティ活性化を軸に日本のエコシステムを拡大したい

 
小林:御社は広告事業をメインに展開されてきたかと思いますが、今回の e スポーツ事業を立ち上げられた経緯からお聞かせください。

藤澤さん:まず、最初の理由からお話しすると、私がゲームが好きだから(笑)というのが根本にあります。
弊社は、広告事業から展開してきましたが、その後さまざまな新規事業の立ち上げを実はしてきました。
インスタのメディア事業やフィンテック事業など、様々なことにトライし、失敗もありました。新規事業のなかで、コンテンツを創るタイプのものもありましたが、当社の広告事業は、広告主と媒体をつなぐところで価値提供をすることが得意な会社、コンテンツを創ることは向いていない。そのため、e スポーツ事業で何が出来るかと考えた時、プレーヤー、実況する人、大会主催者、場所などの関わる人をつなげるプラットフォームを提供することが良いと判断しました。
そして出来上がったのが、ゲームコミュニティの活性化をメインに据えつつ、全大会賞金付きのゲームプラットフォーム Adictorです。



小林:好きが原点というのは、新規事業立ち上げで非常に重要だと思います。この Adictor は立ち上げられてからどのくらいなのでしょうか。

藤澤さん:立ち上げてから約1年半ほどになります。順調に会員も伸び、1 万人を突破し、開催された大会は約5800回となります。

小林:全大会賞金付きとのことですが、現在のビジネスモデル、また今後の展開はどのようにお考えでしょうか?

藤澤さん:現在、弊社プラットフォームを使って開催される大会のほとんどが弊社がマーケティング費用として負担する形となっています。
今後は、スポンサーがつく大会などをどんどんと開催していきたいと考えています。
eスポーツの大会というと、大きなスタジアムに、中央に巨大なスクリーンがあり、たくさんの人がその場所で見ている、そういうイメージを持ちますが、そんな大きな大会は年に1、2回しかないのが現状です。
例えば、ある1つのゲームにしても、日本全国で、賞金ありなしなど大小はありますが、1 年間で 1 万回以上大会が開催されているようなゲームも珍しくありません。それらは、 Twitter で草の根的に告知され、小さく広まっていきます。すごい熱量がそこにはあるはずなんですが、それらを活性化するコミュニティプラットフォームがあれば、もっと e スポーツが盛り上がるのでは、と考えて弊社の Adictor を運営しています。

小林:例えば、その 1 万回くらい全国で草の根であるゲーム大会の場合、何割くらいが賞金が出るものなんでしょうか?

藤澤さん:だいたい 1 割くらいじゃないでしょうか。そして、ランダムに Twitter や Discord などで告知されるのが、プレーヤー側も気づきにくいという側面もあるかなと思います。そこで、弊社の Adictor は、全大会賞金付きというのを差別化にして、Discord を活用したコミュニティ活性化、プレーヤー同志の繋がりを生み出すことを重視しています。第3者の立ち位置で、ゲームを盛り上げることに徹しています。

小林:なるほど。私はつい先日ゴルフのマスターズを見ていたのですが、ゴルフ、テニス、野球など、大会のレベルがトップレベルからアマチュアまで、様々あることが非常にエコシステムの発展に向けて良い働きをするのではと思います。
各ゲームも、eスポーツの大会が、世界トップレベルから下まであると良いですね。

藤澤さん:はい、まさにおっしゃる通りで、そのような多層構造をぜひ目指したいと考えています。まずは、Adictor は全大会が賞金付きということで、1つレベルがあがった大会だけが並んでいる状態を作りたく、また、その中で、「認定大会」というフラグを用意していまして、そこはプレーヤーのレベルも賞金も高くなるものに限られるようになっています。甲子園を目指す際に、地区大会、地方大会、甲子園と大会のレベル差があるようなことができればと思っています。

また、ビジネス的には、ベッティングが出来るようになるのかが鍵だと思っています。海外では、eスポーツのプレーヤーへのベッティングが非常に盛んで、サッカーのワールドカップに勝るとも劣らないくらい eスポーツの大会が盛り上がります。日本だと、サッカーくじくらいしかないですが、ベッティングが受け入れられるかどうかも、今後の日本の eスポーツ業界の盛り上がりを左右すると思います。現状、日本は欧州やアジアに比べて 5 年くらい遅れていると感じています。

小林:たしかに、日本はそのような風潮がありますね。eスポーツは、フィジカルスポーツと同じく、プロフェッショナルな人が社会的にももっと認められてくると良いですよね。eスポーツを目指した人が、その後、コーチになる、eスポーツキャスターになる、さまざまなタイトルがうまれる、TV 放送やインターネット放送が多く配信される。そんな循環が生まれてくると良いですね。


ずっと SDGs に注力した事業をしたかった。eスポーツは実は障がいの方やシニアとのコラボが非常にポテンシャルがある事業だと気づいたことがきっかけ



小林:続いて、今回 JeSU 神奈川支部と SDGs 推進のパートナーシップを発表されましたが、SDGs の取り組みはいつから打ち出したのでしょうか?

藤澤さん:SDGs に注力した打ち出し方は今回からとなります。実は弊社は何年も前から、
SDGs への取り組みを考えてきたのですが、現行のビジネスとうまくマッチできなかったという事情があります。
広告事業がメインだったのですが、広告ではなかなか SDGs を打ち出しにくい。リサイクルペーパーを使っているという程度の間接的な打ち出し方しかできないのではないかという課題を持っていました。
しかし、eスポーツなら、ダイレクトに意義深い SDGs 活動が行えるのではないかと思い、今回打ち出しました。

小林:なるほど。eスポーツと SDGs 活動をダイレクトにつなげるとは、どのような取り組みなのでしょうか?

藤澤さん:様々な視点で考えられます。例えば、全盲の方でもゲームを楽しめたり、耳が聞こえない方でも、手足が不自由な方でもゲームはプレイできます。様々な障がいを持っている方、どんな方でも楽しむことができる。そんな場所作りができるのではないかと考えています。また、今回提携した JeSU 神奈川支部さんでは、様々な施設を持っておられて、そこをeスポーツの開催場所として有効活用できないかと議論しております。他には、不登校の子供達をゲームを切り口に集めて大会を開催したりすることも可能だと思います。

小林:確かに、車椅子の方でも VR ゴーグルを使えば空を飛ぶことだってできます。パラリンピックのように、各障がいのタイプごとに、楽しめるゲームの大会があると非常に面白いですね。

藤澤さん:そうですね。全盲のピアニストがいるように、全盲の方でも格闘ゲームの鉄拳がプロ並みに上手い人がいますし、耳が不自由でもFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)を巧みに操作する人もいます。
また、子供の教育にもゲームは実は非常に良いと思っています。

小林:子供とゲームというと、世の中の親御さんは、ゲームを早くやめて勉強しなさいというイメージかと思いますが、どういうことでしょうか?

藤澤さん:ゲームを通じて、「気軽に失敗できる」ということが非常に良いと思っています。例えば、野球部に入ったとして、レギュラーになれるのは9人です。何ヶ月も努力して、結局先発できなかったり、そういう負ける体験というのは子供にとっては重いことだと思います。
ゲームの場合は、すぐに始められるし、様々な大会に出ることができるし、負けることも体験できる。そうした小さな挫折は自分を強くすることにも繋がります。


日本は世界一の高齢化社会。そこでシニアeスポーツで新しい世界最高峰の大会を生み出したい

 
小林:SDGs の観点で今後はどのような取り組みを強化していきたいとお考えですか?

藤澤さん:ゲームはシニアとの組み合わせも非常に良いと考えています。日本の高齢化社会の課題を解決できる可能性があります。
eスポーツのシニア大会を開催すれば、シニア同志の交流に繋がります。孤独なシニアが増えている課題の解決の糸口になります。また、勝つためにプレイの練習をするなど、脳が活性化され、ボケ防止の観点からも非常に良いのではと思います。
昔は、eスポーツはほとんどがパソコンだったのですが、最近はスマホでも出来ます。パソコンの場合、ソフトのインストールとパソコンの設定から始める必要があり、そこがシニアの方にはボトルネックになっていました。いまは、スマホゲームでも非常にクオリティの高いタイトルが揃ってきて、始める障壁が低くなったので、シニアeスポーツマーケットの可能性が広がったと思っています。

小林:まさに、シニアとゲームの組み合わせは完璧なのではないかとお伺いして思いました。
日本は、ビデオゲームが生まれた国であり、さらに世界一の長寿国家。そんな日本で、シニアeスポーツの世界最高峰の大会を開催する。これほど、世界の人たちからみて、自然に受け入れられるものはない気がします。今後の展開にぜひ期待したいです。またシニア大会の続報が出ましたら教えてください!ありがとうございました。

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