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【取材記事】「スキンケア商品ではなく生き方を売っている。好きになればあなたはエシカル。」肌荒れに悩んでいた創始者フィービーの哲学に基づくブランドストーリー

株式会社Snow Fox Japan

敏感肌の方向けにスキンケア商品を展開しているオーストラリア発祥のSnow Fox Skincare。今回、創始者フィービー・ソングの哲学を受け継ぐSnow Fox Japan代表の茂住氏に、フィービーさんとの出会い、感動的なブランドストーリー、商品開発のコンセプト、企業理念、これからの展望などをお伺いしました。



お話を伺った方

株式会社Snow Fox Japan
代表取締役社長:茂住 昌子様
プロフィール
国立富山工業高等専門学校卒業。新卒でスキンケアブランドの品質管理課に入社。
精肉工場の細菌検査技師やプログラマーを経て26歳でカナダに渡加。
映画制作の学校でポストプロダクションを学び、サウンドエンジニアとしてカナダで7年以上活躍。その間、自身のヒーリングスパ・サロン経営。
結婚を機にビジネスを売却、NYに移住。NYハンター大学に入学。児童心理学と英語を専攻。
その後日本に帰国、半年後Snow Fox Japan起業。


Snow Fox Skincareブランドストーリー

 
my SDG編集部:Snow Fox Japanの創業経緯(ブランドストーリー)を教えてください。

茂住さん:ありがとうございます。当社の創業経緯の前に、Snow Fox Skincareについて少しお話しさせていただきます。

 
茂住さん:Snow Fox Skincareは、オーストラリア生まれの創始者フィービーの肌悩みを解決する為にできたスキンケアブランドです。フィービーは「酒さ(しゅさ)」と呼ばれる生涯治らない不治の皮膚疾患を持っています。

フィービーは当時、銀行で優秀なファイナンシャルアドバイザーとして活躍していましたが、酒さによる重度の肌荒れに悩まされていました。
ある日、オーストラリアに台湾人の皮膚科学者が自分のスキンケアブランドを作りたいと相談に訪れ、その皮膚科医(現在も商品を共同開発している)が彼女の肌に驚愕し、症状をよくするクリームを一緒に作ることを提案してくれたことがSnow Fox Skincareの始まりです。

その頃のフィービーの肌はとても荒れていて、夜、眠ると自分の顔の皮膚をはがす夢を見るほ
ど、精神的にも追い詰められていました。
そんな中、職場の同僚が、フィービーの肌の悪口を言っているのを聞いてしまいました。20代前半の若いフィービーは次第に引きこもりがちになります。

皮膚科学者がクリームを開発するには時間がかかります。その間、清潔な洗顔とシートマスクを使うようアドバイスを受けたフィービーは、世界中からナチュラルな商品を取り寄せて試しましたが、どれも効果はなく、そのいくつかは彼女の肌を悪化させました。

意を決して、自分でゼロからシートマスクと洗顔フォームを作ることを決意し、オーガニックコットンを取り寄せシートマスクを作り、合成界面活性剤を使わないヴィーガンな洗顔フォームも開発しました。
そんな苦労を2年間続け、その間に200回以上もプロトタイプは失敗し、その度に彼女の肌は炎症しました。
2年が過ぎ、もうスキンケア開発を辞めたいと申し出た直後にできた最後の製品で、彼女の肌は3ヶ月かけて徐々に生まれ変わります。「オメガ リペア クリーム」「アークティック ブリーズ レスキュー マスク」「クーリング フォーム クレンザー」。たった3種類のスキンケアセットが彼女の運命を大きく変えていきます。

フィービーの肌が美しく生まれ変わるのを目の当たりにした彼女の職場の同僚は彼女に「あなた、何を使っているの?」と聞き、彼女の製品がクチコミで広がり、ローカル新聞が取り上げます。使ってみたい人たちが商品の入荷待ちに名を連ね、Snow Fox Skincareはセンセーショナルなローンチをオーストラリアのシドニーで成し遂げます。

その後、香港に進出した彼女は、周囲の予想を裏切り、敏感肌が安心して使えて効果が体感できるスキンケアブランドとして瞬く間に成長しました。アメリカに進出した直後、カルダシアン姉妹が愛用しブログに紹介してくれました。ハリウッドセレブ達が、ステージ裏で密かに愛用する「バックステージブランド」として話題になり、クリーンなスキンケアブランドとして全米でも人気の地位を獲得したのです。
ブランドが立ち上がった当時の2016年には、エシカルやSDGsはもちろん、ヴィーガン、ナチュラルなど全くメジャーではなかった頃でしたので、フィービーのブランドはこの分野のスキンケアで先駆者となったのです。

マリークレールやヴォーグなど、世界の有名雑誌に取り上げられ、短期間の間に世界16カ国にグローバル展開し、高リピート率を誇る人気のインディーブランドに成長しました。


フィービーとの出会い

 


my SDG編集部:フィービーさんとはどのようにして知り合ったのですか?

茂住さん:私は26歳後半まで日本にいましたが、自分の人生の目的と使命を広い視野で探すには日本を出ることが不可欠と感じ、カナダへいきました。その間、北米の映画業界でサウンドエンジニアをしながら、メンタルヘルスや健康、ローフードやヒプノセラピーについて様々なレクチャーを受け、独学で知識を得て、ヒーリングサロンを立ち上げます。私の経営していたサロンは自身のメンタルを癒したい人がフェイシャルを通して心も外見も美しく健康になることを目的にするメンタルケア重視のスパの様なサロンでした。

その後ビジネスが軌道に乗ってきた頃に今の主人に出会い、結婚を決め、ビジネスを売却。第二の故郷カナダを離れNYに四年住みました。その間にNYのハンター大学に編入し、英語と児童心理学を専攻し、不妊治療を経て出産、多くのことを経験したアメリカ時代でした。

その間に知人の仲介でフィービーに出会い、関係を深める中で「巨大な日本市場にこのブランドを進出させるなら、Masakoとやりたい」と言っていただき、私が日本に帰国後、色々な協議を経て株式会社Snow Fox Japanを立ち上げました。


Snow Fox Skincareが扱うのは「ひと」

 
my SDG編集部:フィービーさんの哲学を詳しく教えて下さい。

茂住さん:Snow Fox Skincareの商品にはフィービーの信念が詰まっています。彼女のブレない道徳的観念、エシカルな考えとSDGsに取り組む姿勢は私に多くの学びを与えてくれました。
今の私を作ってくれたのはフィービーだと言い切れるほど、彼女の存在は私にとって大きいです。途中からエシカルやSDGsに取り組む企業やブランドは、どうしても表面的な広告的な内容にとどまるケースが多く、内部まで変えることは資金も時間もかかります。
フィービーは、今のオーガニックやSDGsのブームがある前から既に、エシカルが商品コンセプトになっていたのです。時には原料を求めて現地まで足を運ぶこともあったんですよ。
私はそんなフィービーに惚れ込みました。

フィービーは私に言いました。「Masako、スキンケアブランドの質はそれを広める人とその人の生き方やコンセプトで決まる。Snow Fox Skincare=物ではない。人なんだ。」
すごくエシカルな発想だと感じました。

フィービーの作り上げた哲学を受け継ぎ、私は創業しました。
これがSnow Fox Japan創業の経緯ですね。

大きな代理店と違い、私には巨大な資本金はありません。幼い子供二人を育てる中で、時間も限られています。しかし、フィービーの生き方をSnow Fox Skincareというブランドを通じて日本に広めたい、そう思いました。そして、お金のためのビジネスではなく、自立する女性として母としての一つのロールモデルになれるよう、フィービーとともに、このブランドを通じて社会貢献したいと思ったのです。
スキンケアを求めるのも、開発するのも、使うのも人。だからSnow Fox Skincareにはエシカルな哲学を芯に秘めた人格が潜んでいます。私は自らが発言できないnow Fox Skincareの代わりに、その人格を正しくエシカルに広める役割を担っています。

フィービーのエシカルな生き方を、彼女は自分でクリーンカルマと呼びます。私も彼女のクリーンカルマの生き方を株式会社Snow Fox Japanを通して広めていきたいと思っています。


あなたは商品を好きなだけでいい。使うだけでいい。それだけでエシカル


Snow Fox Skincare の6つのコンセプト哲学

my SDG編集部:Snow Fox Skincareのコンセプトについて詳しく教えてください。

茂住さん:SDGsやエシカルは、一般の方にとっては「何からやったらいいのか分からない、何をしたらいいのか分からない」と感じることが多いと思いますが、その答えがSnow Fox Skincareの6つのコンセプトにあります。

Snow Foxの商品を肌に良いから好きになり、使う。それだけでご愛用者様はすでにエシカルなんです。つまり、好きな商品の生産過程がエシカルであれば、お客様がエシカルになる努力をする必要はなく、商品を好きなだけでいい、使うだけでいい。ということです。
好きな商品、使っている商品がエシカルでないと、使っている人もエシカルではなくなります。好きな商品がそもそもエシカルならば愛用者様はそれだけでエシカルになれる。
このクリーンカルマのコンセプトが私たちのモットーです。

my SDG編集部:「使うだけでエシカル」はありがたいですね。

茂住さん:例えば、すごく安い商品がどこかの国で、安い賃金や過酷な労働環境でつくられていた場合、「安いから」と買ってしまうと、エシカルから離れた行動になってしまいます。
使う側の消費者が、商品を選ぶ時に「真実の目」を持ち、正しいものを選ぶ力を身につけてほしいと願っています。
エシカルだから選ぶ、だとハードルが高いと思うんです。好きなスキンケアだから、使う。
それが結果的にエシカルだった、という方がいいと思っています。


肌荒れに悩む方を一人ひとり大切にしていく

my SDG編集部:お客様に商品を好きになってもらうために、どうやってアピールしているのですか?

茂住さん:Snow Fox Japanは昨年5月に日本に来たばかりのブランドなので、目に触れる機会そのものがまだ多くはない状況です。

一番私がマーケティングでブレない様に気をつけているのは「なぜ、Snow Fox Skincareができたか」というコンセプトです。フィービーは美容家でもなく、ただ肌荒れしていた「酒さ」に苦しんだ一人の患者でした。そこがブランドの起源だということを私は忘れてはいけない。

本当に肌に悩んでいる方は置いていかれていると感じています。美容業界はきれいな人をよりきれいに見せることが得意ですが、使う商品を選ばないといけない敏感肌の方や、肌疾患の方はマーケティング戦略から外されがちです。
私たちはその方々にフォーカスしたい。それもエシカルなことだと思います。

Snow Fox Skincareとしては丁寧なサポート体制もあるのですが、そちらでの相談の声を聞くと、本当に深く悩んでいる方が多くいます。その現状をみると、その方々はスキンケア業界からだけではなく、時には皮膚科医からも取り残されてしまっていると感じています。
そんな方々をブランドの枠を超えてサポートしたいと思い、コミュニティーサイトを立ち上げました。置いていかれがちな方々をもっと大切にしたい、私はそう思っています。

公式Twitterとは別の敏感肌ラボ https://twitter.com/SsSkinlab

茂住さん:また、このように肌悩みを抱える方々が使える商品はシンプルなパッケージの物が殆どです。
一方、Snow Fox Skincareはロゴもユニセックスでクールなデザイン。肌悩みを持つ方々にも、おしゃれなパッケージにこだわる私たちの製品にトライしてもらえたらと思います。

my SDG編集部:パッケージのデザインの差まで気にかけたことはありませんでした。

茂住さん:日本は水が綺麗なので、敏感肌の方は世界で見ても比較的少なめですが、水環境が悪ければ悪いほど、敏感肌の方は増えてしまいます。日本でも近年、増えてきたと感じています。日本のスキンケア市場は大きい。しかし、肌でお悩みの方の割合はわずかと言えます。そのわずかなお客様を本当に大切にしていくことが大事なことだと思っています。


シャンプーバー(石鹸)はバスルームでの最高のミニマムアイテム



my SDG編集部:今回、新しくシャンプーバーを発売されたとのことですが、こちらの商品はどのような方に使って頂きたいですか?

茂住さん:肌が弱く、通常のシャンプーが使えない方はもちろん、環境に配慮しているミニマリストの方ですね。お風呂場にはシャンプー、コンディショナー、ボディーソープなどのボトルが多数並びがちですが、当社のシャンプーバー(石鹸)ひとつあれば足りるんです。

よく出回っているシャンプーバーとの差別化をアピールするならば、最後に小さくなってパキンと割れるほど、形状が崩れず、長持ちし、ぬるぬる感が出ない点です。1ヶ月半〜2ヶ月はもちますので、こだわりのシャンプー・コンディショナーを使っていらっしゃる方にとっては、コスト的にみてもリーズナブルです。
ウォーターレス処方でつくられているので、小さくなるまで使ってもすぐ乾燥します。
一緒に販売しているバーディッシュに置いて保管すると、使った瞬間に乾いて翌日くっついてしまうほど。

my SDG編集部:それならお風呂場がスッキリしますね!

茂住さん:キャンプをする人などはこれひとつ持っていけば便利です。私は子供のお風呂の時には、頭から足までシャンプーバーひとつで終わり、簡単です!
また、一般的なコンディショナーに入っている「シリコーン」も、環境的に未知なところもあるので、本当ならシリコーンが使われていない商品を使った方がいいです。シリコーンは髪に付着して艶を出しますが髪を重くし、ベタつきやボリュームダウンを引き起こす可能性があると言われています。実際私は、すぐにペタッとなる髪でしたが、このバーに切り替えてからそれが解消されました。当然、当社のシャンプーバーにはシリコンは一切入っていません。

my SDG編集部:シャンプーバーは1個あたり何回ほど使えるのでしょうか。

茂住さん:そうですね。人により髪の量も違うので差はありますが、うちでは4人家族で使って、2ヶ月位もちます。少しの量でものすごく泡立つんですよ!


会社経営は「社会貢献」

my SDG編集部:エシカル商品は、様々な優れた特徴をお客様に伝えるのが難しいと感じます
が、いかがでしょうか。

茂住さん:草の根的に広めていくしかないと思っています。大手の代理店のように巨額な広告費が捻出できないので、同じ様に広めることは難しいです。しかし地道に、一人のお客様を大切にしながら活動していきたいです。また、決してお金でいいレビューを買わない、雑誌にお金を出して掲載してもらわないというコンセプトを持っており、今年は特に多くの雑誌に取り上げられていますが、全てメディアが本当にいいと思って自ら掲載してくれています。お金を出してレビューが買えたり、人気ランキングが入れ替えられたり、何かが間違っていると感じます。

my SDG編集部:茂住さんのその信念はどこからくるのですか?

茂住さん:大手と同じ舞台では勝てないからです。私がぶれていたら流されてしまいます。そして、元に戻れなくなってしまいます。いいレビューを獲得するためにお金でレビューを買い、一時的な売り上げをあげると、売り上げを上げるために常にレビューを買わなくてはいけません。そして、巨額な広告費を投入し続けなければなりません。

ビジネスは確かにお金が動かないといけません。しかし、お金だけではないという重要な一面を忘れてはいけません。
私は20年前から海外に暮らしていて外から日本を見ていたので、客観的に今の日本のビジネスの問題点が見えます。昔ながらの、間に業者を何社も入れてお金をかけて物を売る考え方のままでは、当社のような小さい企業はこの先、生き残ることは難しいです。斬新なアイデアで、他と違うやり方で成長してこそ、このビジネスをやっている意味があると私は考えています。

会社を経営するということはお金を儲けることだけではなくて、社会貢献の精神が今特に求められています。これが少ない企業は世界でも勝てません。
そこがぶれてしまうとどこかで経営に間違いが起こると思います。
私はこのビジネスの先に別のゴール設定があり、それは教育なんです。

Snow Fox Skincareの6つのコンセプトの哲学に教育の全てが入っています。この哲学を一人でも多くの方に体感し、体現し、実行してもらえたらと思っています。
この哲学で生きていくことを企業としてやり抜きたいと思っています。

my SDG編集部:すごく勇気のいる決断ですよね。

茂住さん:目先の欲に振り回されてもその見返りはない時代になったと感じます。
SNSでお金を使って人気を得ても、売上は一時的なものです。それより、私たちを見つけてくれた方々から大切に関係をつくっていく方が長期的に見て良いですし、フィービーのSnow Fox Skincare はそうして広まっていったのですから。

当社がOEMを一切せず、ゼロから開発しているところも自信を持っておすすめできます。Snow Fox Skincareの強みですね。

my SDG編集部:SDGsな生き方を目指す一般のお客様に向けてアピールをお願いします。

茂住さん:まずは、シャンプーバーを試してみてほしいですね。石鹸で頭を洗うなど、イメージが沸かない方がほとんどだと思います。私も初めは違和感がありましたが、使ってみたら本当にびっくりしたんです。本気で商品をつくるというのはこういうことかと、またしてもフィービーに魅せられたと感じたんです。
その感動を是非、皆さんにも体験してほしい。

今年、新商品も出るのでフィービーに来日してもらおうと思っています。
少しリーズナブルで、高品質なスキンケアシリーズが発売予定です。メディアも呼んでイベントも出来たらと思っています。

my SDG編集部:楽しみですね!

茂住さん:フィービーが先日私に言いました。「もし、もっと広告費をかけて宣伝していたら、今よりもSnow Fox Skincareは大きくなっていたと思う。でもそうすると、商品の中身は質を下げて、価格を上げなくてはならなかった。私はそれができなかった。私はお客様が大事だし、肌に悩む方や敏感肌の方が喜んでくださることが大事だから。」と。フィービーはそこまでこだわっているので、私も同じ気持ちで取り組み、広めていきます。


▼シャンプーバーの購入はこちらから
Snow Fox Skincareオンラインショップ【公式サイト】
https://snowfoxskincare.jp/collections/hair_care

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