0本の木を植えました

mySDGの植樹活動について

thumbnail

世界基準のGOTS認証を有するハイクオリティなベビーポンチョを通しWWFジャパンが伝えたい、優しいイメージのコットン産業が及ぼす水環境への影響。

WWFジャパン・株式会社ハート

公益財団法人 世界自然保護基金ジャパン(以下WWFジャパン)より、国際オーガニック認証のGOTS認証を取得した、オーガニックコットン100%使用の、人にも環境にも優しい「ベビーポンチョ」がパンダショップより発売されました。
その経緯や想いについて、WWFジャパンのご担当者様、ベビーポンチョを製造された株式会社ハートの方々にお話をお伺いしました。」



お話を伺った方


池田雅子様
WWFジャパンが運営する通販事業「PANDA SHOP」を通じて、
WWFが推奨する認証商品やエシカル商品の普及に努め、更なる進化を目指して
日々試行錯誤中です。限られた資源を未来へ残せるように持続可能なライフスタイルを
ご提案します。



山岡弘章様
株式会社ハート 代表

英国で大学卒業後、2011年より家具メーカーやファッションブランドの
インターンを経て帰国。14年ハート入社、2019年常務取締役、2020年4月より現職。


PANDA SHOP(パンダショップ)はWWFジャパンの通販ショップ



mySDG編集部:まずは、PANDA SHOPのご紹介をお願い致します。

WWFジャパン 池田さん:PANDA SHOPは環境保全団体のWWFジャパンが運営する通販事業になります。今年で創業30年を迎えます。
商品点数は300点程。去年2020年迄は紙のカタログを発行しておりましたが、コロナの影響でスタッフの在宅勤務をきっかけに、現在はオンラインショップのみとなっております。
WWFジャパンの推奨するサステナブルな原材料を用いた認証商品の紹介やフェアトレード商品、原子力発電所反対をしている地域、ダム建設反対をしている地域の特産物などを扱っています。利益はWWFジャパンの活動にあてられるようになっています。

mySDG編集部:一般のお客様も購入可能なのですか?

WWFジャパン 池田さん:もちろんです!

mySDG編集部:どういった商品が人気なのですか?

WWFジャパン 池田さん:季節によっても変わるのですが、春先はTシャツが人気です。デザインがユニークで、寅年にちなんだトラなどのネコ科の野生動物や、ヤンバルクイナなどニッチな絶滅危惧種の野生生物をデザインしたTシャツなどが人気です。春はステーショナリー、冬はフェアトレードのチョコレートや衣料品、カレンダーなどがよく売れますね。


株式会社ハートの創業経緯は、代表ご本人のアレルギー体質

mySDG編集部:今回のベビーポンチョを作られた、株式会社ハートの事業内容を教えて頂けますか?

ハート 山岡さん:当社はオーガニック寝具に特化したテキスタイル製品の製造、販売、卸の企業になります。創業経緯は、私本人のアレルギー体質がきっかけとなっています。私は幼少期に熱性けいれんなどで救急車で運ばれることが頻繁にあり、両親が私のような子供が安心して眠れる布団がつくりたいと願いました。当時は「オーガニック」などの言葉も概念も浸透していない時代でしたが、そのころから安心・安全なお布団を両親がつくり始めたのが株式会社ハートのスタートとなります。

mySDG編集部:WWFジャパンさんと株式会社ハートさんの出会いのきっかけを教えて下さい。

WWFジャパン 池田さん:WWFジャパンの会員入会キャンペーンのノベルティのお話からになります。
当時、入会されますと、リサイクルコットンのトートバッグをプレゼントしておりました。
そのころ丁度、認証ラベルの着いたバッグをつくりたいと思いまして、企業様を探した結果、ハートさんにたどり着いた次第です。その後、パンダショップでも商品を取り扱いさせて頂きました。


安心・安全なGOTS認証基準ベビーポンチョへの想い


mySDG編集部:今回のベビーポンチョはどのような経緯で産まれたのでしょうか。

WWFジャパン 池田さん:ハートさんの寝具を取り扱っていたのですが、春になるとベビー用品がとても売れることをお伝えしましたら、ベビー用品のご提案いただくことになりました。

ハート 竹村さん:寝具などはパンダショップさんで取り扱い頂いているのですが、タオル地が少ないという事と、以前にもベビーポンチョを取り扱っていて、とても売れていたということもありますね。それから今回、GOTS認証を得ているという付加価値も加わりますので、新たにこうしたアイテムを出すことに私たちも嬉しさを感じています。

mySDG編集部:最もこだわった点はどこですか?

ハート 竹村さん:縫いでしょうか。 通常縫い糸はポリエステルの化繊糸で縫製をすることが一般的なのですが、弊社はなるべく天然の物にこだわった物つくりをしているので、縫い糸も「綿糸」を使用しています。職人さん達が弊社の自社工場でGOTS認証基準の物つくりを続けています。

mySDG編集部:GOTS認証について詳しく教えて頂けますか?



ハート 山岡さん:当社はGOTS基準が出来る前からオーガニックの物つくりをしていました。その後、こういった世界共通基準ができた時に、エコサートを通じて、16年位前、寝具としては日本で初めてGOTS認証をとりました。
(※2006年から第三者の認証機関によるGOTSの認証が開始され、2008年にはGOTSのロゴマークが導入された。NPO法人日本オーガニックコットン協会HPより)

やはり、展示会などで初めてお会いしたお客様には信頼性が低いと思いまして、外部の利害関係のない認証機関が実地と書類検査をすることで安心の担保を図る為に、有機繊維認証機関であるGOTS認証をとり、毎年エコサートの検査員が工場と書類を検査して、毎年更新しています。

WWFジャパン 池田さん:GOTS認証を簡単にご紹介しますと、オーガニックの素材であるということは勿論のこと、生産の過程やそれに携わる方、綿畑の労働者の方の労働環境、梱包に使う袋や箱、保管に使う倉庫や保管の仕方など、とにかく生産に関わる全てのことに国際基準があり、全ての過程で環境に配慮しているのか、また、その過程が見えるかがとても重視されている認証になっています。
とても取得することが難しい認証なのですが、日本でこの認証を取られている企業様は珍しく、ハートさんは先駆者というところになります。


オーガニックコットンとGOTS認証(※NPO法人日本オーガニックコットン協会HPより)


WWFジャパン 池田さん:GOTS認証の基準はSDGsの目標にもおのずと被ってきますね。

mySDG編集部:お話をお伺いしていますと、認証を取り続けるのはとてもハードルが高い印象を感じます。実際大変でしょうか?

ハート 山岡さん:毎年苦労しておりますね。やはり、通常の物のつくり方をすれば、コストを安く、大量生産ができるのですが、製造過程でのつくり方、使う薬品、やってはいけないことなど、認証を取るには凄く規制が多いのですね。その部分で毎年現場ではとても苦労しています。

WWFジャパン 池田さん:パンダショップのGOTS認証商品の価格が高いとお声を頂くこともあるのですが、こうした基準を守って適正にコストを計算すると、このような価格になってしまいますね。しかし、こういった価格は持続可能なオーガニック製品として適正な価格ではないかと思っています。

mySDG編集部:お客様にその価格の内容などをお伝えするのは難しいかと思うのですが、何か工夫されていることはありますか?

ハート 山岡さん:当社は昔から生協様とお取引させて頂いております。生協様のお客様は、SDGsが言われる前から、環境保全や体に良いものを食べようなどに関心のあるお客様層でありました。そういったお客様には当社の理念は受け入れて頂きやすかったですね。

生協様のお客様層は30代、40代のお母さま層が多かったのです。当時20代の方にはあまり関心の無いことだったのかも知れませんが、お子様を持たれるようになると、普段、赤ちゃんに使うタオルや被服であったり、子供が食べる物で、将来の我が子は健康に育つのかという考えに行きつくようで、生協様をご利用される方が多かったように思います。

ただ、この3、4年でSDGsが広まってきたことで、更に、10代、20代の方が環境保全など意識をする方が増えたように思います。また、お聞きしたことのある話では、20代の新卒の学生が企業様に就職し、そこの業務が環境に悪影響だったり動物実験だったりを目の当たりにし、疑問を持たれてSDGsの活動に参加されるという若い方が増えてきているなと印象を感じます。


広めたいのは環境問題を含めた物つくりのサイクル


© Simon Rawles / WWF


ハート 山岡さん:ベビーポンチョなどのGOTS認証のあるオーガニック製品は価格的には高価な物になるかもしれません。しかし、近年流行っているファストファッションなどは大量生産することでの環境への負担があり、販売価格を抑えるということは、労働賃金を抑え、労働環境を劣悪にするという負担を強いていることになります。

こうした負の生産サイクルをやめ、環境への配慮と労働する方の適正な賃金を守り、環境を考慮するとどうしても、製品は安くはないものになります。
こうした物づくりはもう限界にきていることが現れてきているのではないかと感じます。

mySDG編集部:物つくり自体が環境に配慮した方向に向かう事が理想ですね。ぜひ、一般に広く皆様にお使い頂きたいですね。
また、過去の企業様への取材で、SDGs活動は続けることが難しいというご意見を頂くことがあります。株式会社ハート様は、取得継続が難しいGOTS認証を毎年続けて取得している原動力をお聞かせください。

ハート 山岡さん:当社スタート時からの「安心・安全な眠りを提供する」という理念。
創業から30年近く経ち、新しい技術も多く出ました。プラスティックもその一つなのですが、環境面の観点から見ますと、マッチしない素材や製品があります。
大量生産・大量消費は曲がり角に来ている今、安全の証明があやふやな「自信」だけではなく、明確な証明として、GOTS認証を取得することがお客様の安心に繋がると思っておりますので、毎年大変ではあるのですが、企業理念の下、頑張っております。

mySDG編集部:素晴らしいお話で胸が打たれました。最後に、ベビーポンチョについてアピールをお願いします。

ハート 山岡さん:赤ちゃんは大人に比べて肌への刺激に弱いです。しかし赤ちゃんは話せませんので不快であっても訴えることができませんので、我々大人が安心して生活ができる環境をつくることが責任だと思います。
ベビーポンチョの様な安全な製品が広まること自体が、SDGsを達成することだと思います。
パンダショップさんのお力も借りつつ、オーガニック製品やGOTS認証の理念が広まって頂きたいと願っております。

WWFジャパン 池田さん:WWFジャパンでコットンの扱いが始まったのがここ1年位で、以前もオーガニックコットンを扱っておりましたが、去年の7月からGOTS認証がついているものしか使わないと決めました。

この認証自体の存在がまだ広まっていないと思いますので、まずはGOTS認証を知って頂きたい。WWFジャパンの会員様は5万人弱おりますが、その会員様には勿論のこと、それ以上に一般の皆さまにも広めていきたいと思っています。

それから、WWFジャパンが何故サステナブルコットンの扱いを始めたのかというと、「水環境の問題」があるからです。製品を通じて、水環境の問題への認知も含めてお届けしたいという思いがあります。
コットンって環境に悪い?サステナブルファッション視点でのコットンの生産と利用 WWFジャパンHPより

WWFジャパン 池田さん:パンダショップの理念とWWFジャパンの理念はリンクしています。今取り組んでいるコットンはとても努力中の段階です。
木や紙の事業は軌道に乗っているので、今後はコットンに注力していきたいです。

それから、このベビーポンチョは、赤ちゃんだけではなく、幼児になってもバスタオルに使え、プールなどにもお使い頂けます。使える期間は見た目の印象より長いですよ。

mySDG編集部:世界基準は厳しくなっているようですが、そのぶん持続可能な製品が増え、また使う側も持続可能な製品を選ぶことが重要ですね。
大変勉強になりました。ありがとうございました。

この進捗のプロジェクト

この進捗がターゲットとする目標

sdg
sdg
sdg
sdg
sdg
sdg
sdg
sdg
sdg
sdg
sdg
sdg
sdg
sdg
sdg
sdg
sdg

この進捗が獲得した証明

mySDGによる証明

第3者ユーザーによる証明

公的機関ユーザーによる証明

SDGs進捗見える化メディアプラットフォーム

© 2022 bajji, Inc.