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【取材記事】廃棄処分に困るホタテの貝殻をアップサイクル。人にも、環境にも優しいエコ洗剤「ホタテパウダー」でSDGsを日常へ
KULASIFUL
「上質なキッチン用品で暮らしを豊かに」をコンセプトにキッチン用品の製造・開発を行うキッチンメーカー「KULASIFUL(クラシフル)」。2022年6月より、ホタテの貝殻をアップサイクルしたホタテパウダー洗剤「Shellcy(以下、シェルシー)」をリリースし、誰もが気軽にSDGsに取り組める社会の実現を目指しています。今回、KULASIFULの代表・小澤智之さんにシェルシーの誕生秘話や商品の魅力、今後の展望についてお話しを伺いました。
話を伺った方
小澤 智之(こざわ ともゆき)様
KULASIFUL代表
1992年生まれ、神奈川県横浜市出身。横浜国立大学卒、ハウスメーカーに3年間勤務後、独立しHP制作・集客代行等の事業を行う。2021年にキッチン用品メーカーKULASIFULを創業。現在、「身体にやさしく、地球にやさしい」キッチン用品の開発・普及に努める。
野菜の洗浄からお掃除にも使える天然由来のエコ洗剤「シェルシー」
mySDG編集部:商品についてお聞きする前に、まずは御社についてお伺いさせてください。
小澤さん:KULASIFULに関しては、2021年に立ち上げたばかりのキッチンメーカーです。母体となっている会社の一事業として、「上質なキッチン用品で暮らしを豊かに」をコンセプトに、地球にも体にも優しいキッチン用品を主に販売しています。
mySDG編集部:今回、ホタテパウダー洗剤「シェルシー」をリリースされたとのことですが、商品が生まれたきっかけを教えてください。
小澤さん:最初のきっかけはスタッフが青森旅行に出かけた際、港で山積みになっているホタテの貝殻を見て驚いたという話を聞いたことです。その後、気になってホタテについて調べてみると、ホタテは日本の水産物のなかで輸出額が1位という日本が世界誇るべき食材である一方、廃棄するホタテの貝殻が毎年約20万トンもあることが問題になっていることを知りました。
大量のゴミとして焼却破棄されるホタテの貝殻
mySDG編集部:普段何気なく食べているホタテにそのような課題があったとは私も知りませんでした。
小澤さん:そうなんです。さらに驚いたのが、ホタテの貝殻を焼却して出る粉には洗浄・除菌・消臭効果があるということでした。まさかホタテの貝殻が洗剤になるとは知らなかったので、すごく面白いなと思いましたね。KULASIFULの商品ラインナップにも入れたいと思い、シェルシーの商品開発に至ります。
mySDG編集部:商品の開発にあたって、苦労した点やこだわった点など教えてください。
小澤さん:ホタテパウダー自体は、すでに商品化されていたので、技術的な苦労は特にありませんでした。ただ、すでに何社から販売されているにも関わらず、日本に広まっていないという点がすごく気になったんです。地球にも人の体にも優しくて、とても良い製品なのに一般的に認知度がかなり低い。そこから、どうやったらいろんな人に使ってもらえるかなという点に着目して、「使いやすさ」と「デザイン」にこだわって開発を進めました。
mySDG編集部:「使いやすさ」という点ではどのあたりにこだわったのでしょうか?
小澤さん:ホタテパウダーはパッケージ袋で販売されていることが多く、スプーンですくい取って使うというものが一般的です。それだと袋の開け閉めがやはり面倒なんです。ボトルタイプもあるのですが、フタを開けると粉が広がってしまうこともあり、使いにくいというのが使ってみての感想でした。なので、シェルシーに関しては、フタを二重構造にして、フタを開けても粉が広がらず、片手で簡単に使える工夫をしました。
mySDG編集部:確かにキッチンで料理をしたり後片付けをしたりするときは、なかなか両手があくことがないので、片手でササッと使えるのは便利です! あとは「デザイン」にこだわったとおっしゃる通り、これなら棚にしまわず外に出しておいてもインテリアの邪魔にならないですね。
小澤さん:そうおっしゃっていただけると、非常にうれしいです。これまでの商品は、見た目が業務用のようなものが多く、キッチンの上に置いておくのは……という印象でした。そのためシェルシーは、キッチンに置いても違和感のないものを目指して、見た目にもこだわって開発しました。
乳幼児の哺乳瓶などの洗浄にも安心の使い心地
mySDG編集部:具体的な使用方法についてもお伺いさせてください。一般的なつけ置き洗い以外にスプレーボトルに入れて使う方法があるとのことですが、この場合はどういった用途で使えるんでしょうか?
小澤さん:本当に色んな使い道があって、まさに“あなた次第”でさまざまな使い方ができます。例えば、普段私自身がよく使っているのが「消臭スプレー」としての使い方です。これまでは市販の消臭剤を使っていましたが、今はホタテパウダーのスプレーで代用しています。ボトルに水300mlとシェルシーを小さじ1杯半程度(約0.3g)入れて、振って混ぜるだけで簡単に作れます。そのほかにもまな板の除菌スプレーや靴の消臭スプレーとしても活躍してくれます。あとはキッチンの油汚れですね。
mySDG編集部:油汚れにも効くんですか?
小澤さん:はい。例えばコンロなどにスプレーして、その後キッチンペーパーなどで拭き取っていただくと、油汚れを落とすことができます。というのも、ホタテパウダーは水に溶かすと強アルカリ性になるので、酸性の汚れと相性がいいんです。酸性の汚れとは「皮脂」「手あか」「油汚れ」なので、キッチンの油汚れはもちろん皮脂がつきやすいテーブルやフローリングの床にも使えます。あとペットを飼っているスタッフいわく、ワンちゃんのトイレのニオイ消しにもホタテパウダーはすごく効くと言っていました。スプレーにすると使い方がいろいろ広がってくるので、ぜひ使っていただきたいですね。
mySDG編集部:確かにこれ1本で色々な場所に使えるのは非常にありがたいですね。
小澤さん:そうなんです。しかも水1リットルに対し1グラムで効果が出るので、少ない量で効果を実感していただけます。シェルシーのボトルタイプ(70g)だと、使い方次第で1、2ヶ月はもつので、比較的リーズナブルにお使いいただけます。
スーパーアキダイでの啓発活動では、チラシとサンプルを配布し、家庭からできる環境改善の取り組みを提供した。
mySDG編集部:プレスリリースでも拝見したのですが、ホタテの日(6月18日)にスーパーのアキダイさんで環境改善の啓発活動を開催されたそうですね?
小澤さん:そうなんです。ホタテの日があることを初めて知ったことをきっかけに、多くの方にシェルシーを認知してもらうためのイベントを開催しようと計画しました。シェルシーは野菜の表面に付着した菌やウイルスを取り除いて野菜の鮮度を維持する効果があるんです。それで、野菜を扱うスーパーなどでイベントがしたいなと考えていたところ、今回アキダイさんにご快諾いただけました。
野菜を「通常の水」と「ホタテパウダー溶液」に浸し、不純物等の剥離を比較。ホタテパウダーの効力に驚きの声が上がったそう。
mySDG編集部:実際にアキダイさんで啓発活動をされてみて、お客様の反応はいかがでしたか?
小澤さん:「ホタテは普段食べてるけど、貝殻のゴミのことなんて考えてなかった」という率直な感想をいただいたりして、お客様の生の声に触れることができました。当日はシェルシーとチラシを配布し、ホタテの貝殻の効能とホタテパウダーを使うことで環境改善にもつながることをお伝えしました。貝殻がもつ知られざる効能に皆さん非常に驚かれていて、「私もください!」と数時間のうちにチラシ100枚と商品サンプル100個をすべて配布し終えてしまいました(笑)。
mySDG編集部:ものすごい反響でしたね!
小澤さん:皆さん、非常に関心をもってくださいました。今回は、ホタテの貝殻が抱えるゴミの問題や、普段お使いの洗剤が水を汚したり、環境に負担をかけていたりする一面もあるということを知っていただく機会にもなったので、この活動をやった意味があったのかなと手応えを感じています。
mySDG編集部:最近、SDGsという言葉はよく耳にはしますが、啓発活動を通して、消費者の意識レベルというものをどう感じられましたか?
小澤さん:SDGsという言葉は知っているけれど、具体的に何をすればいいかわからないというところはあるのかなと思いました。
mySDG編集部:確かに一般レベルでどう取り組めばいいのかわからないというのはありますよね。
小澤さん:そうなんです。だからSDGsという言葉を広めるというよりも、何か身近にできる伝え方をしなきゃいけないんじゃないのかなというふうに感じました。ホタテパウダーもそうですが、日常から参加できるという点で、SDGsを身近に感じてもらえることがまずは必要なのかもしれません。
ふりかけボトル(本品70g入り)・詰め替え袋(本品200g入り)・スプレーボトル(容器のみ)のセット販売も提供
mySDG編集部:SDGsを身近にという意味でも、近所のドラッグストアでシェルシーが買えたらすごくうれしいです!
小澤さん:そうですよね。アキダイさんでのイベントでも「スーパーで売ってないの?」とよく聞かれました(笑)。スーパーやドラッグストアの洗剤コーナーに並べてほしいんですけど、まだそこまでじゃないので……。ただ日本に広めるというのはもちろんですが、今後は海外も視野に入れています。ホタテは海外でも人気の食べ物として輸出量も多いですし、なおかつホタテのパウダーは海外でもまだ広まっていないので、「日本発の環境に優しい洗剤」として発信していきたいです。
mySDG編集部:メイドインジャパン製品として注目を集めそうですね! では最後にKULASIFULとしての今後の展望を教えてください。
小澤さん:地球に優しいキッチン用品のメーカーとして、SDGsを身近に感じられる製品をどんどん発信していきたいと考えています。先月発売したばかりの商品に、冷凍したものを急速解凍できる「解凍プレート」というものがあります。食材を冷凍保存することで食品ロスにもつながりますし、料理の時短にもなる商品ですので、ぜひ注目していただきたいです。(現在「Makuake」にて予約販売中)
そのほかにもフッ素や鉛などを一切使わないフライパンや、天然素材のオリーブのまな板など、日常レベルでSDGsに貢献できる商品をどんどん世に出して広めていきたいと考えています。
mySDG編集部:今後KULASIFULの製品がスーパーなどで手軽に買える日が来ることを楽しみにしております! 小澤さん、本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
▼商品の購入はコチラ
https://kulasiful.com
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